イサオスタジオ Blog

「イサオスタジオ」という映像制作会社のBlogです。 映像や音声の制作技術の話題にとどまらず、料理や旬の話題まで「皆様のお役に立てそうな記事」を書いています。

セミナー動画の「録音あれこれ」#1(音・録音の大切さ)

セミナー撮影動画の重要ポイント

セミナーを撮影し映像に残したい。そして多くの方に見てもらいたい。そうお考えの皆様の中で「セミナーコンテンツにとって大切な要素」といえば何を挙げられますか?

  • 講師の方が綺麗に写っている
  • 映像そのものの画質が良い
  • 音質がクリアである
  • トークに合わせてリズミカルにカット割りされている(マルチカメラの場合)

などなど、セミナーを綺麗に伝わりやすく制作するには様々な映像・音声の技術・課題がクリア&達成される必要があります。

その中でも重要で、セミナーの収録において忘れてはならない大切なこと。 それは「聞きやすい明瞭な音声が録音されているか」ということです。

映像作品なので画質や構図など「動画の部分」に制作のウェイトが置かれますが、映像以上に音声も大切。「聞きやすく高音質な音声あってこそ、高品質なセミナー映像」となるのです

もちろん映像作品ですから画質や構図といった「映像のクオリティ」も大切な要素の一つですが。。。

今回は「セミナー撮影と音声収録(録音)について」書いてみたいと思います。

セミナー運営につきまとう「音のトラブル&心配」

セミナー撮影のとき、会場の音響機器とセットになっているピンマイクを使い、収録録音機材にも「その会場設備・マイクの音声を分配」することが多いです。

(ライン音声を頂く、分けてもらうというものです)

もちろん、カメラマイクだけ!よりは断然クリアに収録できますが、会場によって機材の質・状態に差があり、あまりメンテナンスされていない、音響技術者が不在な場合、そもそも専任の音響担当者がいないなど、機材に加え、人的要因(エンジニア・オペレーターの質や技術レベル)で、録音される音に差が出てきます。

大規模ホール(市民会館・公共施設など)の音響

市民会館などは規模が大きく、音響・舞台装置を指定管理者として、外部の専門業者へ管理、オペレーションを委託していることが多く、その場合は比較的良質な音をビデオ収録にも分けて頂くことが望めます。彼らは音響や照明にこだわりを持った「職人肌」の方が多いです。

専任オペレーターが常駐している場合は、持ち込み機材の事前確認や、目的に応じた適切なマイク・機材の選定、外部機器の接続確認(変換ケーブルの用意など)当日の進行に滞りが生じないよう綿密にチェックが行われます。場合によってはリハーサルも行います。

私(弊社)の場合、ホール担当の技術者とお話してみて、お任せできそうだ!と思ったら「ライン音声をしっかり現用系(メイン)に使うこともあります」大規模な会場の場合は会場の設備を利用できるのはとても有り難いのです。(予算の削減にも繋がります!)

小規模施設(貸し会議室・セミナールームなど)の音響

問題(音の途切れ・ワイヤレスマイクの混信など)が多いのは所謂「貸しホール」「貸し会議室」といった市中の中小規模のレンタルルームです。設備のみレンタルとするところが多く、専任でオペレーションやメンテナンスを行うスタッフが常駐しているところは少数派です。ノイズや音の途切れなどのトラブルが発生してから、管理会社に連絡して・・・と、対応が後手に回ることが多く見られます。(同じ建物に管理事務所がない場合はその傾向が強い)もちろん小回りの効くしっかりした管理をされているところもあります。

音のトラブルによる進行の妨げはセミナー運営者にとってはとても厄介な問題です。特に後から視聴するセミナー動画には「悪い部分としてしっかり記録」されてしまいます。

会場内はしばらくの間、地声でなんとかなっても、映像作品ではマイク他、収録音響機材が唯一の音の通り道。トラブル要素は可能な限り排除しなくてはなりません。

セミナー会場の音響機器だけに頼るのは危険

機械というモノは「いつでも壊れる可能性」があります。普段から触れていない機材は尚更故障のリスクが高まります。特にメンテナンスの行き届いていない機器は信頼性に欠けます。

セミナー映像を制作する上で肝心要とも言える「音声の収録」

音声収録はしっかりとした「冗長運用を!」

収録の際、セミナー会場の音響機器だけに頼ってしまうのは良い選択とはい言えません。

会場の音響機器から分けてもらう音声は敢えて「予備系」として扱い、ビデオ収録用に別途、機材を用意して、それを「現用系(メイン)」にするのが理想です。パソコンのデータを扱うのと同じように「バックアップを取る(録る)」という考え方が必要になりますね!

そうすることで仮に会場の音響機器に不具合が発生して「地声対応」したとしても、収録用のマイクではトラブルがなかったかのように、しっかりと講師の声を録音することができるのです。

セミナー会場の音響機器と収録専用の収録機器(マイク)を適切に組み合わせ、費用対効果と、収録の安全性・信頼性を高めましょう。

イサオスタジオの目指す「セミナー音声収録」

マイク(音響機器)は生き物と言っても過言ではありません。

弊社使用のマイクや音声収録・録音に使用する機器は、日々使用され、常にメンテナンスをし、スタッフが肌身で機材コンディションを把握していることから「安定した運用・音質・高音質を実現しています」

長期間使わない機械や車が偶に使う時に限って壊れていたりするのと同じで、映像音響機材も「適度に使って、気に掛けて、愛してあげることが上手に付き合うコツでもあります」

マイクは子供のようでもありまして、メーカーや機種によって違う”癖”もありますが、その「癖=特性」を活かせるシーンをいつも頭に描いています。

よく写真の世界では「レンズ沼にハマる」なんて言いますが、「マイク沼」も存在します(^_^;)

また使用機器が「いつでも壊れる可能性」を常に想定し、音声信号の断だけは回避するよう、セミナーやイベント毎にオリジナルの収録システムを組み、現用系と予備系を擁する冗長運用を行います。

講師、質問者それぞれのマイクを「独立したトラック」で収録し、編集(整音時)に、音響に最適化された「スタジオ環境」でモニタリングしながら

「シーン毎に音の主役を見極め、音の最適化を施す」

講師は勿論、質問者、会場の雰囲気まで
「心地よい音声でセミナー当日を再現」

そんな音作りを心がけています。(セミナー受講者の気持ちになってあとから編集室でじっくり聞きながら音を決める。やり甲斐のある作業ですよ!)

講師の声が聞き取りにくい、質疑応答の質問内容があまり聞こえない、会場の雰囲気(笑いやどよめきなどの空気感)が伝わってこない・・・など「音の過不足」が起きないよう、最後は「熟練した技術者の耳」で仕上げていきます。

「音にこだわりたい」「音の綺麗なセミナー動画をつくりたい」セミナー運営の皆様へ。

技術的なご相談・お見積もりなど無料で承っております。イサオスタジオに是非メッセージしてください。マニアックな!?音のお悩み・ご相談お待ちしております。

ホームページには「チャットサポート」もご用意。チャットですぐにご質問頂けます。

www.isaostudio.jp

セミナー動画にまつわるお話。これからも現場で拾った話題や技術解説など書いていきたいと思います。お楽しみに!