【APN設定をいじるだけではダメだった!】
Windows10(私の場合 Lenovo X1 Carbon)のLTEの接続不具合を改善するため思考錯誤しています。 やはりLTE内蔵ノート。使いたいときにすぐ使えない・ネットに繋がらないと意味なし!ですね。
設定をいじっているうち「既定のAPN削除」や「プロビジョニングパッケージを作成してAPN設定を充てる」など既出のAPNに関連する設定のみでは、抜本的な改善には繋がらないことがわかりました。
追加でこれから紹介する設定を施したところ、一番の懸案だった
- しばらくすると携帯ネットワークの表示そのものがなくなってしまう。
- 再起動しないとWANのネットワークアダプターが復旧しない。
という状況がほぼ改善されました。 (100%ではありませんが以前より圧倒的に長時間接続できます)
ネットワークエンジニアでもありませんし、一介の映像屋ですので詳しい解説はなしです。 「とりあえずこの方法でより安定して長時間繋がるよ」ということで説明を進めます。
docomoのMVNO回線は落ちやすいようですが結構有効かと思います。ハイ!
【改善策】
今回は「既定のAPN削除」などはやりません。
前回記事のようにプロビジョニングパッケージを作成してAPNを設定してもよし、通常通りGUIから設定しても大丈夫かと思います。(私の場合だけかわかりませんが、消してもどこかのタイミングでまた復活してますので原因はここじゃないってことで・・・)
やること①「WCMの設定を変更する」
Windowsには、接続されているネットワークに優先順位をつける機能 (Windows Connection Manager・WCM) がついています。WCM には「ソフト切断機能」があり、不要なネットワークを切断しますが、LTEモジュールとWi-Fi、LANなど複数のネットワークに同時に繋いでいると、基本的に有線ネットワークアダプタが優先されるらしいのです。それが悪さしている可能性があるのでWCM の「ソフト切断」を無効にします。 また「最小接続にする設定」と「パワーマネージメント機能」を無効にします。
スタート > 検索窓に「regedit」と入力して、レジストリエディタを起動・設定します。
(注意)レジストリはシステムに直接触るので、不都合が生じたら元に戻せるようバックアップを取っておきます。⇒ ファイル > エクスポート ⇒(エクスポート範囲:すべて > 保存) 不都合が起きる可能性もありますので自己責任でお願い致します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Microsoft\Windows\WcmSvc\Local
Key: fMinimizeConnections
種類: DWORD
設定値:0
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Microsoft\Windows\WcmSvc\GroupPolicy
Key: fDisablePowerManagement
種類: DWORD
設定値:1
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Microsoft\Windows\WcmSvc\GroupPolicy
Key: fSoftDisconnectConnections
種類: DWORD
設定値:0
やること②「TCP/IPのルーティング・メトリックを設定する」
ネットワークアダプタの「メトリック」の値を手動で設定してWANを使った接続を最優先する。
メトリックの値が小さいネットワークアダプタから優先して接続されますので下記のように設定します。
- 携帯電話のネットワークアダプタを > プロパティ >「TCP/IPv4」をダブルクリック
- IPアドレスを自動的に取得するのラジオボタンを選ぶ
- 詳細設定 > IP設定 > 自動メトリックのチェックを外し > インターフェイスメトリックを「1」にする。
デフォルトゲートウェイを手動で設定する(値はIIJmioの場合)
とりあえず普通にAPNを設定して携帯ネットワークで接続する
設定 > ネットワークとインターネット > ネットワーク接続で、携帯ネットワークのアダプタ(ex.携帯電話 2など)をダブルクリック
接続しているIPv4アドレスを確認。(キャリアによって異なる ex. 100.64.129.59 IIJmioの場合) 冒頭三桁を基に「100.0.0.0」をデフォルトゲートウェイとして設定することにする。
プロパティ > 次のIPアドレスを使うのラジオボタンを選び「100.0.0.0」と設定する。
詳細設定 > IP設定 > デフォルトゲートウェイ > 編集 > 「ゲートウェイ: 100.0.0.0」「メトリック: 1」と設定する。
下記の参照画像をもとに設定してみてください。
やること③「使っていないネットワークアダプタを無効にする」
設定 > ネットワークとインターネット > アダプターのオプションを変更する へ進んで、使っていないネットワークアダプタを極力オフにしたほうが安定して接続できています。(私はWi-FiとLTE以外はオフにしています)
接続を試みる
上記の設定で、念の為一旦再起動してLTE接続すると、携帯ネットワーク(アダプタ)を優先して接続すると思います。
そして「Windowsで接続を維持する」にチェックボックスを入れます(手動接続より安定してるようです)
切断するときは「Windowsで接続を維持する」のチェックを外してください。
接続にあたって注意
Wi-FiとLTEを同時にオンにした場合でも、Wi-Fi優先ではなく携帯ネットワークにもパケットが流れているので、Wi-Fi環境下では手動で携帯ネットワーク(LTE)をオフにしてください。
また携帯ネットワーク(LTE)で余分なパケットを浪費しないよう、ネットワークとインターネット > 状態 > 接続プロパティの変更から、「データ通信量の上限」を設定したり、バックグラウンドデータを制限することをオススメします。
まとめ
APN設定ではなく、ネットワークアダプタのルーティングをいじってみました。 ネットワークエンジニアでもないのでキチンと説明できませんが、これでずっと課題だった
- しばらくすると携帯ネットワークの表示そのものがなくなってしまう。
- 再起動しないとWANのネットワークアダプターが復旧しない。
という状況が改善しました。
(私のLTEノートPC環境)
Lenovo X1 Carbon 6th Gen.
LTE ネットワークアダプタ Fibocom L-850 GL
回線:IIJmio Type D
(参考リンク)
Windows10 V1709で有線LAN接続時にLTEが使用できない【Ver1709】